實相圓満之木刀

實相圓満之木刀じっそうえんまんのぼくとう

今回ご紹介します木刀ですが、實相圓満の木刀と申しまして武蔵先生によって作られたと言われております。私共、兵法二天一流の山東派では相伝の証として引き継がれて来たものです。

現在は大分県の宇佐神宮に管理保管されておりますので、一般の方は見ることが出来ません。

今回は加治屋宗家のご厚意で見せて頂くことが出来ました。

実相円満の木刀

実相円満の兵法とは・・・この世の中そのままを円満に、すなわち六道輪廻のこの世界そのままをありがたくいただく、空ずる兵法だというのである。

小倉碑文の上部にも同じ言葉が刻まれています。

碑文と椿

 

木刀が収められているこちらの木箱は八代宗家、青木先生によって作られたそうです。

箱の内部には武蔵先生より木刀を引き継いできた経緯について書かれています。

IMG_4720

木刀には實相圓満之兵法と刻まれており、

IMG_4729

反対側には、寒流帯月澄如鏡と刻んであります。以前ご紹介致しました戦気の言葉ですね。

私はこの文字を見て鳥肌が立ちました。

IMG_4731

切先の部分は金具の様なものが被せられる形になっております。これは武蔵先生が晩年に杖として使っておられたからではないかと伝えられています。

IMG_4744

素材は赤樫で反りは殆ど無く、漆の様なコーティングが施されています。

私どもが通常稽古で使用している木刀と比べると少し長いのですが、六尺以上あった武蔵先生には丁度良かったのかもしれません。

IMG_4727IMG_4721

IMG_4742IMG_5095

IMG_4904

私も実際に手にさせて頂きました。

以前この木刀について400年も前の木刀が実在するのはおかしい、偽物だ。などと仰っていた方を思い出しましたが京都などの歴史的建造物は偽物ではありませんよね。

正直な感想を述べさせて頂きますと、インターネットで検索して見るこの木刀の印象とは違いやはり古いですし凹凸も沢山あります。そして驚くことに武蔵先生の手の形を感じる事が出来ます。

しっかりと握っておられた跡があるんです。構えた時には武蔵先生と自分が重なった様な不思議な感覚で魂が込められているのを感じる事が出来ます。

そして代々宗家や門下の者たちがこの木刀を大切に扱って来られたことも。

大変貴重な体験となりました。この木刀と共に永遠に二天一流が継承されていくことを願っています。

 

IMG_4883

 

    前田 典子